大人の階段を昇る猫
僕が席を立つと、シャケは遊んでもらおうと、すぐに僕の近くに来てニャーニャー鳴くので、僕はシャケボールで一緒に遊んだ。
シャケは楽しそうにシャケボールを追いかけていて、僕もその姿を見るのがとても楽しかったのである。
しかし、そんな時代はもう終わりなのであろうか。
シャケは大人の階段を昇っているのだろうか。
僕が席を立つと、シャケは遊んでもらおうと、すぐに僕の近くに来てニャーニャー鳴くので、僕はシャケボールをポーンと投げる。
シャケはその投げられたシャケボールを勢い良く追いかけていく、はずである。
しかしシャケは、投げられたシャケボールの放物線を眺めるだけである。
僕はシャケの向こう側に投げられたシャケボールを拾うために、シャケの前を通りシャケボールを拾い上げ、再びシャケの向こう側に放り投げる。
シャケは先ほどと同じように放物線を眺めるだけである。
再度僕は、シャケボールを拾い上げ(リピートしながら、”俺はいったいなにをやっているのだろうか”と考える)。
”シャケ、お前はおとなになってしまったのか”
僕はそう呟く。
あの無邪気でなんにでも喜んでじゃれついてきたシャケはもう戻ってこないのか。
寂しいではないか。
つーか、席を立つと近くでニャーニャー鳴く理由がわからず、僕は戸惑っている。
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