シャケの甘えっぷり
シャケはミュウとは対照的にかなり用心深い性格である。
僕が帰宅して玄関を開けてもすぐには近寄って来ない。遠くから、誰が入ってきたのかを確認している。
玄関から入ってきたのが誰であるか、シャケは遠くから見ている。僕もそんなシャケを見る。シャケは僕を認識したようで、椅子からぴょんと飛び降り、ゆっくりこちらに近づいてくる。もう完全に僕だとわかっている。シャケの表情が少し変わる。そんなシャケの表情の変化が僕は好きだ。
僕はシャケに留守番のご褒美としておやつを食べさせる。
シャケがおやつを食べているあいだ、僕はソファに座ったりしてのんびりしているが、おやつを食べ終えたシャケは、僕の足元にきて僕の顔をじっと見上げたり、膝に乗ってきたりする。遊んでくれと言っているのだ。かわいいやつだ。
そこで僕はしばらくシャケボールで一緒に遊ぶ。
最近はシャケのジャンプ力の向上がめざましく、ジャンプした後、空中で壁を蹴り身体の方向を変える、なんて技も会得している。
僕もそれを見て、”おお〜、シャケすご〜い!”などと言っている。まあ、なんだかんだ僕も楽しんでいるわけである。
そしてそんな遊びにも飽きると、シャケは僕の膝の上で眠る。僕にべったりである。
”かわいい”、僕はつぶやく。そして心が穏やかになるのを感じる。
そんなことをしていると、娘が帰宅する。
するとシャケは、なんの躊躇もなく僕からぴょーんと離れ、娘のところに行き、ベタベタくっつきだす。僕の時とは明らかに違う甘えっぷりである。片時も離れない。
”かわいくねえ〜”、僕はつぶやく。そして、少し心がざわつくのであった。
スポンサードリンク
にほんブログ村