世界が変わった日から7日後の出来事
myuandshake.hatenablog.comミュウは人の膝に乗ってきたりとか布団の中に入ってきて一緒に寝るというような猫ではなかった。しかし、だからといって人が嫌いというわけではなくて、一定の距離を置いてはいるけど、いつも人のそばにいるという性格だった。
つまり、これって僕たちからすれば、ミュウはいつも視界に入っているということである。そして、ミュウがいなくなったことで、当然のことながら、僕たちの視界からミュウは消えてしまった。
これがとてつもなく悲しい。
ふとした時、ついミュウを探してしまう。そして、その都度、ミュウがいないということを否応なく再認識させられる。そして、そのたびに胸がしめつけられる。
僕たちは、棚の上に、ミュウの写真とお骨を置き、そこに、ミュウの好物、花などをお供えして、朝な夕な、声をかけたりして、また、そのたびにつらい気持ちになるのだった。
そんなつらい気持ちも、やはり時間の経過とともに少しづつではあるけれど、現実を受け入れながら薄らいでくるものである。
しかし、ずっとミュウを探し続けているものもいる。シャケである。
ミュウは生前、よく僕のベッドで昼寝をしていたが、今はシャケがよく寝ている。今まで、僕のベッドで寝ることなんてなかったのに。たぶん、ミュウが来るのを待っているんだろう。
そして、落ち着きなく家の中をうろうろと歩き回ることが多くなった。これも、たぶんミュウを探しているんだろうと思う。
そんな日が続いて、ミュウが亡くなってちょうど一週間後の初七日。
シャケが急に、ミュウのお骨などが置いてある棚に向かって鳴きだした。そして棚の上に上りたそうに見上げながらうろうろし始めたのである。
僕がシャケを抱き上げて、棚に乗せてあげると、シャケはミュウの写真やお骨のあたりをしばらくくんくんと嗅ぎまわっていた。
きっとミュウは、初七日のこの日、この世を離れる前に、シャケに会いに来たんだろう。生前はあんなにシャケのことを邪険にしていたのに。
まあ、ミュウってそんな猫だよね~、ってことだろう。
僕たちにはミュウを見ることはできなかったけど、シャケだけに姿を見せることで、この世を離れることを僕たちにも知らせたかったんだと思う。
シャケは、今でもミュウを探し続けている。
僕たちは、ミュウにまたいつか会える日が来るのを待っている。
つらい気持ちは、薄らぐことはあっても決してなくなりはしない。
シャケがミュウを探し当て、僕たちがミュウに再開するまでは。
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