(孫と猫に)真顔で見られるということ
ニコニコ笑って横になっている孫を娘や妻が見ているので、僕も覗き込んでみる。すると、いままで笑っていた孫の表情がすっと真顔になった。それでも、そのまま見続けていると、眉間に皺がより口がへの字になってくる。
つまり、せっかく好きな人たちに囲まれて機嫌良く笑っていたのに、視界になんか見慣れないむさ苦しいおっさんが現れたからなんかムカつく。泣こうかな。という気持ちが表情に現れたわけである。
泣かれるとイヤなので、僕はその場を離れて、孫の視界に入らない少し離れたところに移動する。孫はなんとか泣くのは堪えたようだ。
ある日、テレビを観ていると、なんともいえない雰囲気の視線を感じたのでそちらを見ると、シャケがこちらをじっと見ている。
簡単に状況を説明すると、僕と妻がテーブルに向い合わせに座っていて、シャケは、妻が座っているテーブルの真ん前に寝そべって僕を凝視しているのである。もし、妻がフォークとナイフを持っていたら、これからシャケを食べようとしている、と思えなくもないような感じである。
ここで、僕とシャケの目が合ったわけであるが、この時のシャケの表情が真顔であった。妻の真ん前、すなわち、僕から少し距離を取ったポジションから、僕をじっと真顔で見ているシャケが何を考えているのか、僕にはわからなかった。
僕が立ち上がって廊下の方へ歩き出すと、シャケはテーブルから飛び降りて僕の足元に近寄ってきて僕の顔を見上げている。
あー、遊んでほしいのか。
その時のシャケの顔は、真顔ではなく、目がキラキラしている。やっと真顔じゃなくなった。
うーん。真顔というのは、自分の感情、気持ちを周囲に知られないように隠している表情なんだなあ。
先ほどの孫の場合でいうと、泣きそうな顔をされるのはそらー悲しいけれど、それはそれで、嫌なおっさんはどっか行け!という気持ちを表現しているわけで、それって感情を隠されるよりは数倍マシではないだろうか。
真顔で誰かを見るということは、感情、気持ちをその相手に知られたくない、ということである。自分をガードしているということである。
そういえば、僕は会社にいる間、ほとんど真顔だなあ。
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