不眠とラジオと猫
眠れない日がずいぶん長く続いている。
そんな時はラジオを聴いている。
正確に言うと、録音されたラジオの音源を聴いている。
僕がラジオを聴き始めたのは、約8年ほど前からで(それ以前の1973年くらいから数年間はラジオ(特に深夜放送)をよく聴いていた)、それはつまり、僕の単身赴任生活とほぼリンクする。
よく聴く放送局はTBSラジオで(僕は九州在住だが、なぜかradikoはエリアを関東だと認識している)、数あるTBSラジオのプログラムの中で、最もお気に入りだったのが、菊地成孔氏の粋な夜電波だった。
だらだらと粘着質な時間が流れる単身生活の中、漠然と淀んだ気持ちを妙に心地良く逆なでしてくれた番組だったが、2018年暮れに打ち切られてしまった。
僕は、この番組をたまたま1回目から聴いていて、3年ほど前までは(つまり5年間ほど)欠かさず毎週聴き続けてきた。それが、なにかの心境の変化で聴くのを止めていたのだが(どんな心境の変化だったのかは忘れてしまった)、先日、久しぶりに聴いたのが、残り3回という回で、とても驚いた。
そこから最終回まで毎週聴いたのだが、最終回の番組終了後のとてつもなく大きな喪失感は自分でも意外で、過去の番組アーカイブをきちんと保存していたかが不安になって、その焦燥感から完全に眠気が吹っ飛ぶという状況に陥ってしまったほどであった。
平成最後の冬(実はもっと前からだが)に不眠になり、そのタイミングで単身生活とリンクしつつ聴いてきた粋な夜電波が終了になった。というのは、番組でもキーワードになっていたが、なにかのフラグが立ったような気がしなくもない。
どんなフラグが立っていようと、今夜も僕はたぶん眠れない。
さて、今夜はどのラジオを聴こうか。
我が家の猫たちは、今日もぐっすりと眠るだろう。
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