聞く耳を持っている猫は得をする
人の話をきちんと聞くということ、つまり、聞く耳を持つ、ということは大事なことであると思う。
なぜなら、なんらかの判断をする時の基準って、自分の経験に基づいたものだと思うのだが、いくら長く生きてきたからといっても、その人生が波乱万丈で、ありとあらゆる経験をしてきた、なんて人はともかく、狭い人間関係の中で人生に多くの時間を費やしてきた人(僕のような人)などが経験してきたことなんて限られているわけで、そんな少ないしょぼい経験だけに基づいた判断よりも、人のアドバイスを素直に聞くことで、アドバイスをしてくれている人の経験までも自分の判断材料にプラスすることができる。それってお得、それって素晴らしいと僕は思う。
しかし、人の話を聞かない人、つまり、聞く耳を持たない人って意外と多いように思う。なんかもったいない。そういう人は損をしているよね。きっと。
ミュウはなぜか焼き海苔とチーズが好きである。
しかし、そんなものがミュウにとって良くないということがわかっているので、できれば食べさせたくない。
でも、妻は焼き海苔が好きで、僕はチーズが好きである。
というわけで、僕たちが焼き海苔やチーズなどを食べていると、ミュウは目をキラキラさせながら食卓に近づいてきて、”おっほん、美味しそうなものを食べていますね。”などと語りかけてくる。
でも僕たちは、できれば食べさせたくないわけであるから、ミュウが別の部屋で眠っているときなどを見計らってこっそり食べるようにしているのであるが、ミュウは素晴らしい聞く耳を持っているのである。
焼き海苔をちぎるパリっという音、6Pチーズを包装しているアルミを開けるシャリっという音、これらはとても小さい音であるが、少しでもこの音がすると、娘の部屋のベッドで寝ているミュウがベッドから飛び降りるドスっという音が聞こえる。
”うそ?”と僕たちは思う。
そしてすぐにダイニングテーブルに座っている僕たちの目をまっすぐ見ながら、”気づかれないとでも思ったんですか、あなたたちは?ははは”、などと言いながらこちらに向かってくるのである。
うそではなくマジだったのである。
だから僕たちはしょうがなく、小さくちぎった焼き海苔やチーズをミュウに食べさせる。
それらを食べ終わると、ミュウはまた娘の部屋に戻って二度寝をするのである。
やはり、聞く耳は持つべきである。だって、実際、聞く耳を持っているミュウは得をしている。
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