猫とその見える世界
夏の間は暑いのでスニーカーとかサンダルばかり履いているが、ちょっと涼しくなってきたので、これからはブーツを履く機会が増えてくる。
ブーツはスニーカーなどに比べてヒールの高さがあるから、ちょっと目線が高くなる。
その高さの違いってほんの1、2cmだと思うが、本人からするとこれまで見ていた世界が少し違って見えて新鮮だったりする。
最初は新鮮だったその世界もすぐに慣れてしまってそれが普通になってしまうのであるが、そのちょっとした驚きのようなものがなんとなく好きである。
1、2cmの違いでこれほど違うわけであるから、10cmも違うとかなり世界が違って見えるんじゃないかと思う。
ちなみに僕の身長は167cmなので、10cm高くなったとすると177cmである。
まあ、そのくらいの身長の人はたくさんいるわけだが、その人たちと僕とでは日常で見えている景色が違っているわけで、そうなると当然、考え方なども違ってくるんだろうなあ、などと思う。
もっと飛躍して考えてみると、例えば東京タワーと同じ身長の人がいたとすると、その人は333mの高さから世界を見ていることになるが、そうなると地上の人間などは蟻のようにしか見えないだろう。
その人からすると、僕の日々の生活などどうでもいいことであって、誤って僕を踏む潰してしまっても何も思わないだろうと思う。
続きを読む猫が監視している
シャケがどこにいるのかわからないことが時々ある。
完全室内飼いということもあるし、とにかくシャケはすこぶる付きの臆病者なので、ベランダにさえ出ることさえないので、家の中のどこかにいることは間違いないのだが、どこにいるのかがわからないのである。
そして忘れたころに、どこからか、寝ぼけたような、なんか悪いことをした後のような表情を浮かべてひょっこり姿を現す。
そんな時僕は、”シャケ、お前はどこにいたのだ”、みたいなことをシャケの頭を撫でながら問いかけるのであるが、シャケは、なんか遠くを見るような眼をしているばかりで、そのうち後足で耳の後ろをシャシャシャって掻いて、のそのそとちょっと離れた場所に移動し、毛づくろいなどを始めるのである。
続きを読む