孫は猫が寝ていると近づいて行ってやたらとさわる。
ふわふわの毛並みがさわると気持ちいいようだ。
でも、猫はさわられるのが嫌い。
さわられているところを恨めしそうな目つきで睨んでいる。
僕は、猫の顔と猫をさわっている孫の手の間に手のひらでついたてをつくる。
すると、いい加減さわられることに我慢ができなくなった猫が僕の手を噛んだ。
僕は孫の身代わりになって、猫に噛まれた。
でも、まったく悪い気がしない。
僕の手を噛んだ後、猫はどこかにいってしまった。
もっと早く移動すればいいのに。
ちょっとそう思っただけである。